
七五三の支度を調べていると出てくる言葉のひとつが「びらかん」。実はこれには2種類の意味があります。
- びら簪(びらかんざし):かんざしの一種で、揺れる金属飾りが付いた髪飾り。
- びらかん:七五三や花嫁衣装で用いる「箱迫(はこせこ)」に付ける小さな飾り。
今回の七五三でよく話題になる「びらかん」は、後者の 箱迫に付ける飾りとしての「びらかん」 です。
箱迫(はこせこ)とは?
箱迫(はこせこ)とは、和装のときに胸元に差し込む小物入れのこと。七五三や花嫁衣装で使われることが多く、装飾性が重視されています。
- 見た目は小さな長方形の財布のような形
- 金襴やちりめんで華やかに仕立てられている
- 差し込んで胸元を華やかに見せる役割がある
そして、この箱迫の正面に下げる飾りが「びらかん」です。
七五三のびらかんの特徴
七五三のびらかんは、主に7歳の女の子の四つ身着物に使われます。
- 金属製の小さなプレート が数枚下がっており、揺れるたびに光を反射してきらめく
- 箱迫の華やかさをさらに引き立てる
- 花や鶴など縁起の良いモチーフがあしらわれることもある
歩くたびに「シャラシャラ」と可愛らしい音を立てるのも特徴で、晴れの日らしい華やかさを演出してくれます。
びら簪との違い
混同しやすいですが、髪に挿すのが「びら簪(びらかんざし)」、箱迫に付けるのが「びらかん」です。
- びら簪(かんざし):頭に付ける髪飾り
- びらかん:胸元の箱迫に付ける飾り
どちらも「揺れる金属の飾り」が特徴なので、同じ「びら」という呼び方が残っています。
>>「びら簪」を見る
びらかんの付け方の基本
- 箱迫を帯に差し込む
- 箱迫(はこせこ)は帯の前(帯締めの下あたり)に差し込みます。
- 位置はお腹の正面、中心がきれいに揃うようにします。
- びらかんを箱迫に取り付ける
- びらかんは箱迫の正面にある「小さな金具」や「飾り紐」に引っ掛けるように付けます。
- 吊り下げるタイプになっているので、揺れる部分が自然に下に垂れるようにします。
- 揺れ感を調整する
- 歩いたときに金属の小片が軽く揺れるのが美しいので、帯や着物に押し付けすぎず、少し余裕を持たせます。
まとめ:七五三のびらかんは華やかさを演出する小物
七五三での「びらかん」とは、女の子の胸元を彩る箱迫に付ける揺れる金属飾りのことです。歩くたびにキラキラと揺れ、七五三の特別な装いをより一層華やかにしてくれます。
七五三の記念写真をより美しく残すためにも、着物や髪飾りだけでなく「びらかん」や「箱迫」といった小物にも注目して選んでみると良いですね。

